HSPが事務職に向いていない理由は?気質の活かし方や転職前に注意することを解説
「HSPは事務職に向いてる?」
「事務職はどんな仕事をする?」
本記事では、上記のように事務職について疑問を持つ繊細さん(HSPの方)に向けて書いています。
私はHSPの20代で、2回の転職を経て事務職(Webマーケティング職)に就いてます。
本記事では、人との関わりが苦痛になるなど、HSPが事務職に向いていない原因を解説しています。ほかにも事務職に活かせるHSPの気質やHSPが働きやすい事務職の環境を解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
きぬお
この記事の監修者:きぬお
- 転職を2回経験した20代
- HSS型HSP
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HSPが事務職に向いていない5つの理由
HSPは事務職の仕事内容を苦手に感じてしまう場合があります。原因をそれぞれ解説します。
電話対応が必須
電話対応が苦手と感じるHSPは多いです。特に、オフィスなどで電話している姿を周りの人に見られたり、聞かれたりすることに苦手意識を持っています。
- オフィスが静かな時の電話が苦痛
- 電話で質問している姿を見られたくない
- 電話で発言することに自信がない
- 横の人がいるのに電話したくない
よほどのことがない限り、事務職はほとんどの会社で電話対応を求められるでしょう。
もちろん、電話以外にもエクセルの操作など、パソコンで仕事を行うこともあります。電話対応が本当に苦手に感じる方は、事務職に向いてない可能性が高いです。
前の職場で電話対応が苦手で、パソコン作業だけ行っているパートさんもいました。
話しかけられる機会が多い
オフィスでは自分の周りに他の社員がいるため、仕事中に話しかけられる機会が多くなります。HSPは1つの作業に集中できる強みがあるため、話しかけられると集中力が途切れてしまう可能性があるのです。
周りもHSPが多いと話しかけられる機会は減ります。
まだ仕事の話ならいいかもしれませんが、雑談が終わらなくて時間を潰してしまうこともあるでしょう。
人との関わりが多い
仕事内容にもよりますが、事務は人との関わりが多くなりやすいです。
請求書の確認を行ったり、会計や財務状況を把握するなど、各担当から役員クラスまで様々な社員とコミュニケーションを取る機会があります。
- 経理の場合は各部署から請求書が届く
- 営業事務は営業担当と密に連携を取る
もちろん、Webマーケティング職や、エクセルのデータ入力など、1人で行いやすい仕事もあります。
事務は仕事内容によっては、他人とのコミュニケーションが多くなりやすい仕事です。
マルチタスクを行う必要がある
事務職はマルチタスクな能力が求められる場合もあります。「事務=パソコンでエクセル作業する」のようなイメージがありますが、他にも以下のような仕事があります。
- 電話対応
- メールの返信(意外と多い)
- 上司や同僚の聞き役
- データをもとにした資料作成
作業を行っている途中で他の作業を依頼される可能性もあります。HSPは1つの作業に深く集中できるタイプなので、途中で作業内容を切り替えようとしても、うまくいかず集中力が落ちやすいことに注意が必要です。
事務職は3〜4つほど担当の作業(仕事)があると思っておきましょう。
雑務も行う必要がある
事務職は、どちらかというと緻密で繊細さが求められる仕事です。HSPは細かい作業が得意な傾向があり、その点は適していると言えます。
ただ、単調な作業を繰り返し行う必要もあり、HSPは仕事に飽きてしまう可能性があります。
- 文字の誤字脱字を確かめる
- テキストのコピペ作業
- 数字の計算を坦々と行う作業
集中して仕事を続けられているうちはいいのですが、「なんのために働いているんだろう」などと考えると、仕事を辞めたくなる可能性があります。
仕事においては「自分のありかた」を大切にするといいですよ。
事務職に活かせるHSPの気質
ここまでは事務職を苦手に感じ、向いてないと感じる理由を解説しました。
一方で、HSPは事務職に活かせる気質を持っています。それぞれ解説します。
注意深いためミスが少ない
HSPは心配性で危機管理能力が高い傾向があります。そのため、細かいデータ入力が求められる事務職において強みを発揮することが可能です。
- 忘れ物がないか何回も確かめてしまう
- 家のカギを閉めたか
- 何回も作成した資料を確認する
「作成した数式に間違いはないか」「指摘されそうなポイントを事前に把握する」など、念入りに確認作業を行うことができます。
心配性や注意深い気質を活かしてミスを減らすことができます。
丁寧な作業が得意
HSPは丁寧さが必要な作業を坦々とこなすことが可能です。前節でも触れましたが、HSPはマルチタスクよりも1つの作業に集中することが得意な傾向があります。
Webマーケティング職の場合は、日々の積み重ねが1週間後や1ヶ月後の成果につながるので、毎日コツコツと自分の作業に没頭しています。
HSPはゾーンに入ると誰にも負けない集中力を発揮できます。
周りの人間に配慮できる
HSPは職場において周りの人間に配慮しながら上手く仕事を行っていけます。相手の表情や声のトーン、しぐさから、相手が今どんな感情なのか、なんとなく読み取ることが可能です。
- 相手が落ち込んでいそうだから普段より小さな声で話す
- 忙しそうだから話かけるのを後回しにする
- 会話に入りづらそうな人に話を振る
傾聴力が高いことや気配りが上手いことから、HSPは他人から「話しやすい」と思われる可能性が高いです。
自然と気配りができるのはHSPの強みです。
責任感が強い
HSPは無意識で責任感を持ちながら仕事を行うことが可能です。事務は1つの仕事が終わらないと会社全員が困ってしまうので、責任感の高さが重要になります。
中には完璧主義者で、新しいことをする時は何から何まで知りたがる人もいるでしょう。
HSPは自然と責任感を持って仕事を行えるので、自分自身にプレッシャーをかけすぎないことが重要です。
責任感を持って自主的に動けるHSPは会社から重宝されるでしょう。
計画性を持って仕事ができる
HSPは仕事を細分化して計画するなど、計画性を持ちながらスムーズに進行することが可能です。事前準備の能力が高いことにも似ていて、逆算思考で動くことが可能です。
新しいプロジェクトを始める時は、ゴールから逆算して1つずつ工程に落とし込んでいます。
1つの仕事を終わらせるために、細分化して計画的に仕事を終わらせることができるのです。
HSPに事務職が向いているポイント
事務職のどのようなポイントがHSPにおすすめできるのか、それぞれ解説します。
1人で作業に没頭できる
事務職は1人で作業が完結する可能性が高いです。基本的にパソコンに向かって、複数の作業を終わらせることが仕事になります。
もちろん、最初は先輩に教えてもらう時間は必要ですが、ある程度すれば1人で仕事を行えるようになるでしょう。
事務職は仕事で1人の空間を作りやすいのでHSPと相性が良いです。
誰かと一緒に働いていくことが苦手な場合は、事務職に就くと働きやすさを感じる場合があります。
激しいノルマがない
事務職は激しいノルマに追われる可能性が少なくなります。営業のように数字と常に向き合う仕事とは異なり、目の前の作業を終わらせることや、次の仕事の準備を行うことが主な仕事になります。
ただ、Webマーケティングのように、「月3件の反響を獲得する」など、数字を目標設定にする事務職は存在します。
事務職とはいえ、目標設定で数字を意識することはあります。
HSPは数字によるプレッシャーや外的の刺激に弱いので、事務職であればストレスなく仕事をできる可能性があります。
業務を通して人をサポートできる
誰かをサポートすることが好きな人や、人の笑顔を見ることが好きなHSPの方も多いのではないでしょうか。
事務職は基本的に誰かのサポートを主にする職種です。事務職であれば「縁の下の力持ち」の気質を存分に活かすことが可能です。
事務職は仕事を終わらせるほど、他人の笑顔を増やせる職種です。
共感性が高いことから、困っている人がいたら助けたくなることもあるでしょう。事務職は社内で困っている人のサポートをできる仕事とも言い換えることができます。
休みを取りやすい
事務職は1人で完結できる仕事が多いので、その分休みも調整しやすい傾向があります。
HSPは社員とのコミュニケーションや職場の騒音など、あらゆる刺激を受けて少しずつストレスが溜まっていきます。
定期的に休暇を取り、HSPにとって自分を休ませる時間も大切です。
もちろん、会社によっては休みを取りづらい場合があるので、転職する際は求人票をよく見ておくことが大切です。クライアント都合になりづらいのが事務職のメリットの1つです。
周りが静かな場合が多い
事務職は比較的静かな環境で仕事を行うことができます。事務職の周りには事務職が集まりやすいからです。
社内の人間から話しかけられることはありますが、比較的集中しながら仕事に取り組みやすいです。
経理の人と隣の席で仕事をした経験がありますが、静かに自分の仕事を黙々と行っていました。
環境面は入社しないと分からない部分もありますが、なるべく静かで集中しやすい環境を選ぶことが大切です。
以下の記事では、HSPに向いてる仕事環境や、HSPにおすすめの職種を7つ厳選して解説しているので、合わせてご覧ください。
HSPが働きやすい事務職の環境
HSPはどんな事務職の環境だと働きやすいのか、事例を紹介します。
在宅を活用できる
正社員として働く場合、在宅(リモートワーク)を導入している会社を選ぶことを推奨します。在宅は以下のようにメリットが多く存在します。
- 自分の仕事に集中できる
- 無駄な会話をしなくて済む
- 満員電車のストレスから解放される
私は「毎日出社」と「フルリモート」のどちらも経験していますが、明らかにリモートの方がストレスは少なくなります。
自分のペースで仕事を進められることが何よりの魅力です。
残業時間が少ない
事務職に転職する際は、残業時間にも注目しておきましょう。残業がないと、以下のように自由な時間を過ごすことが可能になります。
- 休息の時間に使える
- 趣味の時間に使える
- 副業等の時間に割くことができる
スキルアップを求めて残業をするのは良いと思いますが、特に目的がない場合はダラダラと残業することはおすすめできません。
HSPは1人の時間を作りリフレッシュすることも大切です。
数字ノルマが厳しすぎない
事務職の中でも数字のノルマが設定される職種があるので注意が必要です。Webマーケティング分野も数字が絡む仕事の1つで、1ヶ月や半年ごとに目標数値があります。
ノルマがあるとストレスになる場合は、数字が厳しすぎない、数字目標がない事務職を選ぶようにしましょう。
- 総務
- 人事
- 経理
数字ノルマが課された自分の姿を想像してみると、あなたに合う職種が見えてくる可能性があります。
企業相手に仕事をできる
企業を相手に事務サポートをできる仕事を選ぶと働きやすいです。基本的に、企業対企業であれば、日常のやり取りが丁寧に行われることが多いです。
HSPは心配性な性格なので、メールやチャットの文章を見返して丁寧な文面で、内容を伝えられるでしょう。
企業を相手にすることで、自分も丁寧に相手も丁寧な関係でやり取りを継続できます。
休暇を取りやすい
有給休暇を獲得しやすい企業を選ぶことが重要です。先ほども述べたとおり、HSPは1人の時間を意識的に作りリフレッシュする時間が必要だからです。
求人票や面接で年間休日や有給取得率について確認しておきましょう。
繊細な気質をもつHSPだからこそ、休暇を取りやすい会社で働くことを意識することが重要です。
私は転職を2回していますが、全て休暇を取りやすい会社を選びました。
HSPが働きにくい事務職の環境
続いて、HSPが働きにくい環境や、すぐに辞めてしまいたくなる環境について解説します。
電話対応が多い
そもそも電話対応が苦手に感じたり、人前で電話をすることに苦手意識があるHSPも多いのではないでしょうか。
入社しないと分からない部分でもありますが、できるだけ電話対応を必要としない職種や環境を選ぶことがポイントです。
クレーム対応などは比較的電話をする回数や時間が多くなってしまいます。
職場の人数が多い
社員数が100名を超えているなど、社員数が多すぎる環境は避けた方がいいです。もちろん全員と関わることはないですが、人数が多いと外的な刺激が増えてしまう可能性が高いでしょう。
人間関係やオフィスの風土など、仕事内容以外に気になってしまうことも増えてしまうはずです。
私は従業員20名ほどの企業に勤めていた時に、1番伸びのびと仕事を行うことができました。
接客が必要になる
フロントの対応など、接客が多くなってしまう事務職はできるだけ避けることがポイントです。
ミスをしないことや効率化に焦点をあてるパソコンの作業とは異なり、接客はまた違う疲労をかかえることになります。
窓口や受付事務のような、接客が主になる事務仕事はHSPに向いてない可能性があります。
初対面の人と話す時にどんな感情を抱くか、過去を振り返ってみましょう。
以下の記事では、HSPが会社員に向いていない理由や、「会社員がつらいと感じたHSPが取るべき行動」について解説しているので、合わせてご覧ください。
【体験談】事務職でも卒なくこなせる
私は2回の転職を経て、事務職(Webマーケティング職)に就きました。基本的にはパソコンで数値分析や改善の作業を行い、週1〜2回の頻度でクライアントとWeb上で打ち合わせを行います。
Webマーケティング職はパソコンの作業の割合が8割、打ち合わせの割合が2割といったイメージです。
ただ、基本的には作業に1人で没頭できるなど、HSPの気質を活かしやすい環境であると感じています。
先ほど解説した通り、事務職といっても幅が広いので、「仕事で何をやるのか」を明確にしておくとよいでしょう。
Webマーケティング職は作業に没頭できる観点や、裁量権を持って仕事をできる観点からHSPにおすすめです。
事務職に転職する前にHSPが確認しておくこと
事務職に転職する場合、どんな点を押さえれば仕事が上手くいきやすいか、「転職前に確認しておくべきポイント」を3つ解説します。
企業の風土を確認しておく
転職を検討する場合、事前に企業風土を確認しておくことは重要です。風土が合わない企業に入社した場合、早期離職につながるリスクがあるためです。
求人票や採用サイトから、ある程度は企業の雰囲気をつかむことができるので、「どんな風潮がある企業なのか」念入りに確認しておきましょう。
- 風通しが良い環境:人間関係が良い可能性もあるが、立ち上げメンバーのみ人間関係が良い可能性がある
- アットホームな環境:仕事にメリハリはあるけれど、飲み会やイベントが多い可能性もある
- 意見を言いやすい環境:体育会系の人が組織を引っ張っている可能性がある
上記のように、良い面と懸念点の両方を考えておくことが重要です。
求人サイトや面接を通して企業の風土を把握しておきましょう。
仕事内容を確認しておく
事務職と言っても幅広いので、「どこまでの範囲で仕事を行うのか」を確認しておくようにしましょう。入社してから「やりたくない仕事」ばかり任せられても嫌になってしまいます。
- パソコン作業が多い事務
- 顧客との接点(やり取り)が多い事務
- 営業と連携して動く事務
求人票に細かく記載がない場合は、面接の質問を利用して具体的な業務内容を聞いてみることが重要です。
仕事の裁量権を確認しておく
HSPは仕事において、ある程度の裁量権があるポジションを選ぶことも大切です。言われたことを坦々とやる仕事の場合、慣れてきたタイミングで飽きてしまう可能性が高いです。
- 業務内容を自分自身で考えることができる
- 代表や経営陣と距離が近い
- 論理的な思考を活かせる
- 新規立ち上げ事業のポジション
上記のように、ある程度は自分の意見を通すことができるポジションに着くと、HSPの気質を仕事で発揮しやすいです。
まとめ:事務職でHSPの気質を活かすことは可能
本記事では、「電話対応が必要になる」など、HSPが事務職に向いていない理由を解説しました。
一方で、「注意深いためミスを減らせる」など、事務職に活かせるHSPの気質や事務職が向いているポイントも解説しました。
私も事務職として2年ほど働いていますが、環境が自分に合っていれば大きな苦労をすることはないでしょう。それより、「坦々と仕事に集中できる」などHSPの気質を活かせる場面が多くありました。
上記のことから、新しい環境で頑張ってみたい方、HSPの気質を活かしながら働きたい方には事務職への転職がおすすめです。
転職の第一歩は「転職サイト」に登録することから始まります。キャリアアドバイザーと協力して、あなたにマッチする企業を選定することが可能です。
以下の記事では、HSPの私が実際に活用した転職エージェントを5つ厳選して紹介しているので、転職を検討している方は合わせてご覧ください。
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